機器・装置・製品/ロボット

エコイット累計2000台販売突破

永進テクノ(相模原市緑区下九沢)が製造販売する浮上油&スラッジ回収装置「エコイット」の累計販売台数が国内外で2000台を突破した。脱下請けの切り札となる自社製品として2009年7月に発売。以来、全国に出向いて年間400カ所ほどで製品の無料デモを実施。“ 百聞は一見にしかず”と“足で稼ぐ営業”のスタイルで普及を図っている。

浮上油回収装置エコイット

エコイットは、浮上油回収タイプとスラッジ(金属粉など)回収タイプの2種類。いずれも金属加工など、製造業の現場で用いられるものだ。価格は浮上油回収タイプで70万~150万円。

一般的に、金属を加工する際、表面に付着した油を洗浄装置できれいにする。が、その洗浄液を繰り返し使うことで、洗浄装置の表面には油が浮いてしまい、結果的に洗浄効果が薄れる。

そこで必要になるのがエコイットの浮上油回収タイプだ。表面に浮かぶ油をポンプで装置内に吸い込んで除去するもの。「洗浄液に大きな不純物が入ることがないので、品質の安定につながります」と鈴木道雄社長。

同じく販売するエコイットのスラッジ回収タイプは、洗浄装置にたまった金属くずなどを掃除する役割がある。

■″百聞は一見にしかず″足で稼ぐ営業で

もともと、大手重機メーカーの下請け企業だった同社だが、リーマン・ショック後に売り上げが激減。その際、状況を打開するためにオリジナルの自社製品として開発したのがエコイットだった。

誰にでも扱いやすいシンプルな構造にしたことから、1次販売店40社、2次販売店200社を巻き込むことに成功。一方で、同社の営業マンも年間300~400カ所出張、無料デモをしている。

「いくら展示会でPRしても、実際にお客さんの現場で使えなかったら売れません。無料デモで直接足を運び、実際に体験してもらうことで購入につながります」と鈴木社長は話している。

(2017年10月号掲載)