メディサイエンス・エスポア(川崎市幸区新塚越)は、ウィズコロナ時代の製品として、「銀」に着目した抗菌・抗ウイルス関連製品を拡充させた。昔から殺菌用途で広く使われてきた銀を、独自のナノ金属安定化技術により処理。「HT シルバー」として純水と混ぜて除菌水にした。手荒れの心配がなく、金属やプラスチック、衣類に噴霧しても、傷んだり、さびたりしないのが特徴。すでに中堅運送会社でドライバーやトラック内の感染症対策として採用された。

メディサイエンス・エスポア、ナノ銀溶液で対策提案

今回、新発売した「HTシルバー10」(80ミリリットル)は、持ち運びできる携帯サイズ。先に発売した「Agウォックス10」の廉価版と位置付けている。

同社によると、アルコール系除菌スプレーや次亜塩素酸ナトリウムは、即効性はあるものの、肌荒れを起こすリスクがある。同社の松本高明社長(医学博士・薬剤師)は「アルコール除菌や石けんによる手洗いを1日に何回もやっていると肌がボロボロになります。(ウィズコロナ時代には)毎日続けられる対策が必要になります」と語る。同製品は「HTシルバー」と純水のみの配合のため、安心して使えるという。

また、噴霧後も「HTシルバー」が付着して残るので、吹きかけるたびに効果が増すのも特徴。マスクや衣類、ドアノブ、金属類など、幅広く使え、変色もしにくいという。

もともと2006年に院内感染予防が注目されていた時期から研究を続けていた松本社長。「いろいろと試し、たどり着いたのが銀でした。昔から銀イオンは菌をやっつけるとも言われています」と説明する。

商品化に先立ち、同社が鳥取大学獣医学部などと行った試験によると、HTシルバー100ppmで高病原性鳥インフルエンザのウイルスが100分の1に減少することも確認した。

(2021年1月号掲載)