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EV充電器専用のサイネージ

トリム(東京都港区芝)は、電気自動車(EV)充電器に対応した屋外用デジタルサイネージを開発した。EV充電器への全国的な設置が求められる中で、充電器にディスプレイを設置し、そこから広告を配信する機能を付加することで普及を後押しする。同社が培ってきた屋外用デジタルサイネージ技術を活用する。

普及を後押しするビジネスモデル

政府は2035年までに乗用車の新車販売の全てをEVなどの電動車にする目標を掲げている。充電インフラの整備は必須となっているものの、現状では国内で約3万基にとどまり、30年までに15万基整備する目標にはほど遠い。

そのため、同社では充電器の設置事業者がデジタルサイネージで広告収入などを得られれば、導入費用のハードルが下がり普及もしやすくなるとして、専用サイネージの開発に着手した。

屋外用デジタルサイネージの場合は、室内用とは違い、設置場所の環境に合わせて設計する独自ノウハウが求められるという。その点、同社は年間50~60台を手掛けており、そのノウハウをEV充電器用にも拡大した。

デジタルサイネージは、画面サイズ32型、49型、55型に対応し、フルハイビジョン映像で音声も出せる。「広告だけでなく、充電器の使い方を説明する動画を流すなど、用途は多岐にわたります」(豊田真右治サイネージプランナー)と話している。

今後はEV充電器メーカーなどと組み市場投入を目指す。また、既存の充電器にもサイネージを“後付け”できるとしており、すでに置いている商業施設などにも採用を呼びかける。「将来的には10億円規模の事業になることが期待できます」(同)と述べており、新事業として育成していく。

(2024年2月号掲載)