住まいの産業 / ライフサイエンス

アサリ・シジミの加工食品を強化

海鮮食品卸売業、三徳(横浜市金沢区鳥浜町)は、主力商品であるアサリやシジミなどの加工食品の販売を強化する。手間を掛けずに手軽に調理できるレトルトタイプのアサリや、スーパーの総菜コーナーに並べるチルド品の品ぞろえを拡充。アサリやシジミの新たな需要を開拓する。専用設備の導入も視野に入れ、将来は加工食品事業の売上高比率を半分程度までに引き上げる。

レトルトタイプなど商品構成を拡充

1974年に高橋章会長が横浜市内で設立。貝類の専門卸売業者として、当時から市場ルートではなく大手スーパーマーケットやレストランなどへ直接販路を開拓している。

日本初の専用パックを開発したり、ハイプレッシャーによる超高圧殺菌処理を導入したりするなど、業界でも先駆者的な取り組みを実践してきた。

ただ、2022年4月に発覚した熊本産アサリの産地偽造問題で、熊本県が出荷を一時停止したことを受け、全国的にアサリの需要が激減。現在は関東でも出荷が再開されたが、その影響が依然として残っている。そのため、新規需要が見込める加工食品を強化することにした。

具体的には、砂抜きなどの手間をかけなくても、そのまま使用できるレトルト類や、調理済みのチルド品などの投入を順次増やしていく。

「(レトルトのような)ひと手間商品に力を入れたいです。レトルト品は常温で賞味期限1年と使い勝手もよいため、リピートが見込めます」(後藤洋平専務)と話している。

(2024年2月号掲載)