金属加工・樹脂加工・その他加工

めっき業界の“コンビニ”に

高村工業所(大和市上草柳)は、めっき業界の“コンビニ”化を実現する。午前6時~午後10時まで稼働しており、特急や当日の依頼であっても、受け入れられるよう体制を整える。「夕方に預かって朝イチで納品することも可能です」と高村将名社長。また、たとえ少量の依頼であっても、引き取りから納品までを原則「訪問」で行っている。要望によっては検品や梱包までも請け負う。

高村工業所、短納期体制構築し検査まで

亜鉛めっき処理などを手掛ける。「(ものづくりの中で)めっきは最後の工程です。お客さんは早く終わらせて出荷したいはずです」と高村社長。工場は午前6~午後10時の操業。固定シフト制(午前6時~午後3時、同1時~同10時)を採用する。

例えば、超特急対応の場合、稼働時間内にお客さんが持ち込み、数時間待ってもらえれば引き渡せるという。夕方以降に持ち込んで翌朝引き取ることも可能だ。「めっき工程にかける時間が短くなれば、お客さんにとっても、短納期化につながります」(高村社長)。

また、マニュアルの簡素化を進め、「誰でもできる仕事」を創出。障がい者社員やアルバイトなど、多様な人材の活用も実現している。

■社長や専務もドライバーに

どんな依頼であってもデリバリーが基本という。高村社長以下、専務、部長、外回り営業など計7人が持ち回りでドライバーも兼務する。時間が決められている宅配便よりも、お客さんにとって短納期で済むのが理由だ。

取引先が点在する県内を4ルートに分類。午前便、午後便で運行。引き取りや納品時にお客さんと頻繁に顔を合わせることで、信頼関係を構築できる利点もあるという。

さらに、本業のめっきだけでなく、要望により、製品出荷前の目視検査や梱包、簡単なアセンブリーまでも請け負う。ただ、めっきも含め、いずれの仕事も価格競争はせず、工程数に応じた価格設定にしているという。

(2021年10月号掲載)