機器・装置・製品/ロボット

「非接触の厚さ測定装置」が好調

 

コロナ禍を背景に“非接触”に対するニーズが高まる中、金属加工業、佐々木工機(川崎市高津区下野毛)が製造販売するオリジナル製品「非接触厚さ測定装置」が好調だ。「OZUMA(オズマ)22」と名付けた製品は、独自のエアー技術により、高度な精度が求められる半導体用シリコンウエハーや液晶用ガラスなどの厚さを、非接触で測定する。世界的にコロナ禍の影響が尾を引く状況下で、海外からの引き合いも来ているという。

コロナ禍で海外からも

厚さの測定には従来、レーザーが用いられるが、ガラスなどの素材や環境により、反射する光の影響を受けてしまう。そのため、測定時には調整作業となる「校正」が必要になり、その作業に1日かかってしまうこともあった。

2012年に大幅改良し、販売開始したのがOZUMA22。上下の測定ノズルからエアーを噴出させ、厚さを測定する独自の技術を採用した。対象物にダメージを与えることもなく、鏡面、透明、半透明でも問題なく精密測定が可能。校正にかかる時間が数秒から数十秒で済むようにもなるという。

■地道な開発を続ける

もともとは部品加工がメイン。安定的に部品加工の受注を確保するため、自動化・省力化機械装置、治具の設計・開発も手掛けている。これまで、産学連携のものづくりや大企業との知財連携による測定器開発も行ってきた。

現在はミツトヨと共同で特許出願し、製品開発を進めているという。「自社製品を持つということは大きい。これからも一つずつ自社製品を増やしていきたいです」と、佐々木政仁社長は話している。

(2021年6月号掲載)