メディサイエンス・エスポア(川崎市幸区新塚越)が製造販売する酸素補給水の主成分「酸素包接水和物」が、米国で物質特許を取得した。同特許は、新規の化合物を発明した場合に与えられるもので、同社のようなベンチャー企業による取得は珍しいという。

医薬品メーカーで「塗るワクチン」などの開発を手掛けてきた医学博士・薬剤師の松本高明社長が率いるベンチャー。主力商品は「WOX(ウォックス)」と呼ばれる酸素補給水。人間が生きるうえで必要不可欠な「酸素」を、長年の研究により、高濃度に安定化させ、飲用することで消化管から効率よく供給できるもの。同製品は累計300万本を販売しており、アスリートや格闘家、モデルも愛用中という。

同社は5年ほど前から米国展開をにらみ、ウォックスに含まれる「酸素包接水和物」の物質特許を申請していた。

「(物質特許取得は)日本企業としては珍しいと思います」(松本社長)と話している。

同物質は、水の分子に酸素が覆われており、これを人体に摂取して細胞を通ることで水の分子が壊れ、細胞内に酸素を供給する。霧状にしたり、長時間高温にしたりしても影響がないことから、今後は飲料のみならず、あらゆる用途での活用が期待できるとしている。

(2021年3月号掲載)