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「紙で紙をとじる」ロックペーパー 環境配慮型のアイデア

堀端製作所(川崎市中原区等々力)の堀端明雄社長自ら考案した「ロックペーパー」の用途開拓や実用化を検討するパートナーを募集している。紙で紙をとじるアイデアだ。製本用途のほか、百貨店などの紙袋用にメッセージ型ロックペーパーも考案した。紙のリサイクルが容易な環境対応型の商品としてアピールしたい考えだ。

実用化のパートナー募集

ホチキスの針を細長い紙に置き換えた

ロックペーパーは、ホチキスの針を細長い紙に置き換えたアイデア。まず専用の穴あけ機でとじる紙の束に、細い穴をあけ、ロックペーパーを差し込んでとじる。通常のコピー用紙なら100枚程度までとじられるという。

業務用に長期保存が必要な書類・帳票類の製本に使うほか、表紙・裏表紙をのり付けして小説や論文、俳句・短歌の自家製本など個人でも楽しめる。

報告書や小論文用に15枚までとじられる「ロックペーパーミニ」もある。

ギフト需要を見込むメッセージ型

また、メッセージ型は、紙袋の口をとじるロックペーパーに書き込みスペースを設けたもの。百貨店や専門店のギフト需要を見込む。

メッセージは「お祝い」や「入学卒業祝い」「合格祝い」「お誕生日おめでとう」「おつかれさま」「ありがとう」などを想定。手書き用と事前にメッセージを印刷したものを用意する。

同社は1977年設立の精密プレス金型・部品メーカー。電機業界向けにスイッチやコネクタ金属部品の金型を製作し、プレス加工した部品を納入している。

「針を外す苦労から思いついた」

「ロックペーパーは、書類からホチキスの針を外すのに苦労している人を見て思いつきました。メッセージ型は百貨店で二人連れのご婦人が口が開いたままの紙袋を提げている姿を見て、おしゃれをしているのに似合わないなと思い、袋の口を閉めて見た目が三角形になるように工夫しました」(堀端社長)という。

同社はロックペーパー関連で5つの特許や実用新案を取得。このほかに大量の紙をとじるニーズを探すとともに、穴あけ機やロックペーパーを製造してくれる中小製造業や文具メーカーを募集している。

(2024年7月号掲載)