住まいの産業 / ライフサイエンス

「捨てる」を価値に変えるアプリ開設

IKホーム(川崎市幸区南幸町)は、余剰建材のマッチングアプリ「アマリー」を開設した。新築やリフォーム、リノベーション現場などで出た建材の余りを登録すると、アプリ画面に表示され、必要な人が購入できる仕組みだ。産業廃棄物として捨てていたものを商品とすることで、ゴミや処分費用の削減につながる。「DIYが趣味の人や、ちょっと足りない資材を調達したい同業者などに活用してもらいたいです」と、飯川潤也社長は語っている。

余剰建材のマッチングで有効活用

例えば、新築の内装であれば、クロスは施工先に合わせて寸法より少し長めに資材を用意するため、施工が終わった時点でクロスの余りが出る。それは、利用できず産業廃棄物となることがある。

逆に、少しだけ建材が欲しい人や格安で仕入れをしたい人、DIYでプロ向け建材が欲しい人もいる。同アプリでは、双方をマッチングしていく。

売り手側は余剰建材の写真を撮ってアプリ上に登録・公開し、必要とする人に買ってもらう。登録は無料。サイト上でカード決済したときのみ手数料がかかる。

IT企業とともに新会社を立ち上げて始めた新事業。捨てるのはもったいないが、在庫にすると倉庫代がかかる。そんな業界の悩みを、同業者と一緒に解決していけたら、と考えたのが始まりだ。

すでに約100社が登録。より多くの同業者にも使ってもらうため、自社での登録や発送が面倒とする企業には、同社が無料で引き取りも行う。

「ゴミ削減だけでなく、個人や同業者など、新たな営業先の開拓にもつながります。まずは同業者にどんどん使ってもらいたいです」と、飯川社長は話している。

(2023年7月号掲載)