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「技術屋のサブスク」で新サービス

機械設計、AZAエンジニアリング(相模原市中央区鹿沼台)は、サブスクリプション(定額課金)による技術支援サービス「技術屋の相談役®」を始めた。技術・開発課題が継続的に生じる中小製造業や、ものづくりの経験が浅いベンチャー企業などに対し、料金体系を分かりやすくした定額制サポートを実施していく。多くの製造業で設計などの技術者が不足していることや、事業再構築で新分野に進出する企業が増えていることからニーズがあると見込んだ。

AZAエンジ、設計変更やエンジニア不足で需要見込む

大手電機や精密機械メーカーOBなどを積極採用しており、社内に30人の専門家を抱える技術者集団。真空技術をはじめ、電子機器や精密機械、ソフト、生産技術、品質管理など、ものづくりの広い範囲をカバーする。

新サービスは、サポートを受けたい企業と同社が契約を結び、定額料金で定められた同社の稼働時間(依頼した作業にかかった時間)内であれば、いくつものサービスメニューが受けられる。「技術のサブスクは極めて珍しいと思います」と長谷川孝社長は話している。

具体的には、電話・出張相談をはじめ、取引先への同行や仕様書チェック、納品時に提出する簡単な証明書類作成、現地調査などがある。「技術的なことで、どこに相談してよいか分からない場合の受け皿になります。また、技術に詳しい人材が取引先に同行することで新たなニーズも発掘できます」(長谷川社長)と説明する。

ライト(月1時間程度)からベーシック(同2・5時間程度)、スタンダード(同6時間程度)、プレミアム(同10時間程度)までの料金プランを設定。価格はスタンダードプランで年間24万円。

技術顧問のように専門家が単独でサポートするのではなく、会社として実施するため、解決できない場合は、同社の協業ネットワークを活用するなどして対応する。

■受託型からの脱却

同社は真空装置などの機械設計を主力に、遊戯施設・テーマパークの技術コンサル事業、イラストやマンガのデザイン事業、コスメティクス事業などを展開する。ただ、機械設計は“受託型ビジネス”のため、自社製品を持つメーカーと異なって、新規営業にも限界がある。その点「技術屋の相談役®」という“商品”を生み出したことで、積極的な営業展開が可能になり、本業との相乗効果も見込んでいる。

(2022年11月号掲載)