住まいの産業 / ライフサイエンス

「原状回復+リフォーム」相乗効果

原状回復+リフォーム・リノベーション─。それがOTO(横浜市都筑区見花山)の事業の二本柱だ。数多く存在する同業者の中で、「クレームゼロ」「品質追求」といった基本を忠実に守り続ける。そして手抜きのない仕事ぶりで顧客からの信頼を勝ち取り、結果として差別化につながっている。

クレームゼロで差別化に成功

■ニーズに応じ事業拡大

19歳で内装(クロス)職人の道に進み、20代で独立した三宅聡彦社長。今では職人を含む社員数6人、年間500件の原状回復工事をこなすまでに成長した。

創業当初は、壁紙などの取り替えを主とするクロス工事を主力としていたが、顧客のニーズに応えるために事業を拡大。リフォームやリノベーション事業にも進出した。

専門性を重視する職人の世界にあって、リフォーム・リノベーションも広範な知識が求められる。それに対応するため、三宅社長は専門業者に依頼しつつ、自身も常に現場に立ち、技術を独学で身に付けていった。

管理会社を対象にしたマンションやアパートの賃貸物件の原状回復工事も強み。

「原状回復は単価が安い仕事ですが、逆に付加価値が高いリフォーム・リノベーションの仕事につながることもあります。そういう意味で、二つの事業が相乗効果を生んでいます」(三宅社長)。

■規模拡大への意欲

ただ、どちらの事業も競争が激しい。その中で、「差別化のための重要な要素は、仕事の丁寧さと豊富な知識だと思います」。

現場ではクレームが発生しないよう、工事開始から終了まで、確認のため何度も訪れ、工事の進行状況をチェックしている。こうした対応により、ミスの早期発見が可能となり、高品質なサービスを提供できるという。

事業の規模拡大も視野に入れる。原状回復とリフォーム・リノベーションの相乗効果を最大限に発揮し、まずは年間売上高として現在の倍、5億円を目指している。

(2024年5月号掲載)