地域の話題のお店

「個店コラボ」で新たなファンづくり

精肉店×カレー専門店、精肉店×洋菓子店…。肉のヤマザキ(横浜市港北区大曽根、)が始めた個店同士の“コラボ事業”が成果を上げている。店頭にコラボ相手の飲食店の商品を置いたり、コラボ店から食材や調味料を仕入れて独自商品を開発したりするなど、ウィンウィンの関係を構築。「互いに常連さんを持つ店との連携により、相乗効果が生まれています」と、営業販売部の山﨑和真さん。個店の新たな集客方法としても注目されそうだ。

地元店と次々と共同開発

1965年創業。3世代で切り盛りする老舗(しにせ)の肉の卸、小売専門店。店頭では総菜も含めると100以上の商品を常時扱う。北海道産・生ラム肉を本州で唯一小売りする店としても知られる。

そんな同店が地元コラボを始めたのがコロナ禍の最中だった2020年。外食が減る一方、家で食事する機会が増えた。

ただ、同店が位置する綱島・大倉山周辺も商店が多数あるものの、そもそも“個店”であるために集客や認知度アップにも限界があった。そこでコラボ事業を発案した。

第一弾として、テイクアウト専門カレー店のこだわりスパイスを仕入れ、「プロのレシピ付きカレースパイス」として店頭販売した。

また、大葉料理専門店とともに「大葉ソーセージ」も商品化。さらには地元コーヒー店と肉料理に合う「食後のコーヒー」、洋菓子店とは「食後のスイーツ」...。数々のコラボ商品を生み出した。

これら商品はコラボ先の店でも販売。SNSで互いに周知していくことで「他店のファンにも知ってもらえる機会ができました」(山﨑さん)という。今後もこうした取り組みを進める考えだ。

(2023年9月号掲載)