2021年に「ワイン特区」として認定された相模原市に、ブドウの栽培からワイン醸造、瓶詰までを行う「ドメーヌスタイル」のワイナリーが誕生した。大森産業(相模原市中央区高根)の運営する「ケントクワイナリー」が果実酒製造免許を取得。この春に初の完全自社製造のワインを発売する予定で、新たな「made in 神奈川」が生まれようとしている。
「made in 神奈川」普及へ
おいしいワインを生み出すブドウ栽培では、十分な日照量と昼夜の寒暖差、そして成熟期に雨が少ないことが条件とされる。
神奈川は適した気候条件とは言い難いといい、県内をはじめとした都市部に多いのは、自社農園を持たずに醸造のみを行う「都市型ワイナリー」だ。
しかし「適した品種を選び、栽培に工夫を凝らせば、名産地に劣らないブドウも栽培可能です」と、担当の森山錬一さんは語る。
同社の森山謙徳会長が「相模原ワインをつくり、神奈川にワイン文化を広めたい」との思いから、14年に農業法人を設立。栽培用地を拡張しながら、この地ならではのブドウ栽培を模索してきた。