住まいの産業 / ライフサイエンス

「マルチリンガル学童」で急成長

O.K.Kids Academy(横浜市鶴見区北寺尾)の独自プログラム「マルチリンガル学童」が急成長している。グローバル企業出身の小嶋太英代表が、自身の子育て経験から「将来グローバルで戦える人材は、小さいころからの育成が必要」との思いで立ち上げた。2020年1月に設立したばかりだが、現在2拠点で約60人の子どもたちが放課後に通う。

「考えて行動すること」に注力

拠点から半径3キロ圏内に住む3歳児から小学6年生が対象。週1~5日、午後1~同7時で利用できる。働くお母さんにも安心して利用してほしいと、学校へのお迎えもしている。

日本語と英語のバイリンガルコース、日本語・英語・中国語のトリリンガルコースなどを用意。「考えて行動すること」に注力し、グローバル感性の育成につなげるという。

一方、お金の教育を行うプログラムも実施する。例えば、タピオカミルクティーを作って売るまでを学びながら、お金がどこから来るのか、どうやって稼ぐのかを考えてもらう。必要な材料や作る手順、作るために必要なお金を計算して売価も決める。

さらに、売り方も相談し、実際に夏のイベントで近所の人や自分たちの家族に販売。経費を差し引いて得られた利益は、どう使うかを相談して決めるという徹底ぶりだ。

こうしたプログラムは、小嶋代表がグローバル企業に勤めた経験から生まれたものだという。

■脱“受け身型”

小嶋代表によると、より高い点を取り、偏差値の高い学校を目指す“受け身型”の教育環境で育った日本人は、「待つことを美徳」とする傾向が強いという。しかし、結果がすべてとされる環境では、素晴らしい提案書を準備しても発表する機会に恵まれず評価を得られないという場面を、多く目にしてきた。

この原因を「教育制度の違いではないか」と考え、小さいころから自分で考えて行動することを身に付けられる学童をつくりたいと思い立ったという。

現在、利用者は口コミで増えているが、今後は規模拡大よりも、通っている子どもたちへのプログラムの質の向上を図っていきたいとしている。

(2022年10月号掲載)