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「サブスクIoT」で工場スマート化

古い設備も対応

谷林運算(GoodLinker=グッドリンカー、新北市)は、スマート化が進んでいない中小製造業などを対象に、定額制IoTソリューションの提供を始めた。

独自開発のゲートウェイやセンサーを組み合わせることで、半世紀以上前の設備でも簡単にスマート化できるという。10月に台湾で開催されるオンライン展示会「台湾イノテックエキスポ(TIE)」に出展する。

センサーは他社製でも対応できる。コロナ禍を背景に、世界中でデジタル化が進んでいるものの、日本同様、台湾でも中小規模の町工場のスマート化は遅れているという。

そこで、同社は「最先端技術や半導体産業のように巨額の設備投資をしなくても、工場が簡単にスマート化できる仕組みをつくろうと思いました」(担当者)とし、定額制サービスを考案した。

具体的には、ニーズに応じたセンサーを選び、ゲートウェイを通じ、データをクラウド上に収集。

収集したデータはグラフなど見やすいデータに変換する。利用者は、これらのデータをパソコンだけでなくスマホでも確認できる。

例えば、金属加工のための装置であれば、稼動状況を確認するために「ライトセンサー」「稼働率センサー」「生産量センサー」を設置する。収集したデータは、稼働状況の監視報告、加工件数の分析記録やプロセス時間の分析テーブルなどの形で通知される。

サービス利用料はセンサー100個以下であれば、月額100米ドル。すでに約30社が導入。内訳は製造業から印刷業、縫製業などさまざまな業種という。

今後は東南アジアなど工場が増加する地域への拡大を狙う。「人手不足で工場の状態や管理が簡単に把握できない製造業でも(同サービスにより)管理が楽になった例があります」と、日本での普及にも意欲的だ。

(2021年10月号掲載)