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「オオトカゲ」で新規事業展開

外装工事業、成有(相模原市南区麻溝台)は、グループ企業のneoプラウド(同)で、希少動物などのブリーダー事業を本格化させる。本社1階を改装し、オオトカゲの飼育環境を整備。ふ化させて専門店に卸す。「どうせやるなら、とことん突き詰めたい」とする、成田昭一会長の趣味が、ビジネスでやっていけるほどの知見を持つまでに。昨年3月には「ミズオオトカゲ(別名:サルバトールモニター)アザンティック」のふ化(単為生殖ではない)に、日本で初めて成功した。

成有、アザンティックのふ化で国内初成功も

10年ほど前、中型トカゲを購入したのがきっかけ。当時小学5年生の息子が爬(は)虫類好きだったことから、「息子とコミュニケーションを取ろう」と考えた。

爬虫類の愛好家も増えていることからビジネスの可能性を感じ、会社としての話題づくりにもなると判断。オオトカゲなどの繁殖を始めた。

オオトカゲは生態的に解明されていない部分が少なくない上、繁殖しようにも資料が乏しく、インターネットを使って独学でノウハウを蓄積していったという。「誰もやっていないからこそやりました。それだけに楽しみも倍増します」と成田会長は語る。

トカゲの繁殖には、それに適した環境を再現しなければならない。トカゲにとって好ましく、成長しやすい環境にするため、紫外線の量や温度、湿度などを「動物目線」(成田会長)で試行錯誤し、研究を重ねた。そしてミズオオトカゲ・アザンティックのふ化に成功した。

現在は31種類、62頭のオオトカゲを飼育する。今年からは動物取扱業を取得し、同社で育ったオオトカゲを県内専門店に卸していく。いずれも市場価格で1頭2万~250万円程度はする。

近年、爬虫類は巣ごもり需要を追い風に、「手間がかからない」「恐竜みたい」との理由で、ペットとして飼う人が増えており「プチブームになっています」(同)と言う。国内産オオトカゲを普及させることで、海外からの密輸防止などの解決にもつながるとしている。

(2022年1月号掲載)