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「どこでもショップカー」開発

オンライン面談カーが走る―。特殊車両開発の松電通信(横浜市金沢区福浦)は、高速通信規格「5G」によるテレビ会議システムを搭載した「どこでもショップカー」を開発した。トヨタのミニバン「ノア」をベースにした車両内に、大画面モニターなどを搭載。利用者は、車内のプライベート商談スペースで画面に映る販売員とオンラインでやり取りする。

買い物難民サポートで開発

もともと同社は、携帯電話販売店も運営する。コロナ禍で来店が難しい高齢者や入院患者、障がい者など買い物難民が多数いることから開発した。

この“オンラインカー”で訪問すれば、店舗側にとっても、販売員が直接出向かず非接触で、生産性向上にもつながる。すでに運営する「ドコモショップ代々木店」で試験導入したほか、横浜市金沢産業振興センターでも実演した。販売や更新手続きだけでなく、スマートフォンの操作説明などのサポートもできる。

テレビ会議システムは、米アップルの「フェイスタイム」を採用。車内には5Gルーターを搭載。大画面モニターでの高精細なフルハイビジョン映像を通じ、臨場感を演出した。「まるで相手が1 メートル先にいるような感覚です」(荒木剛取締役)と言う。

オプションにより、顔や指紋認証システムなども追加可能。車両価格は620万円から。ベース車両が入手できれば2カ月程度で納車できるという。

当面は、高齢者世帯や福祉施設を想定するが、その先の用途開拓も見据える。「他の業種でも活用できます。中でも遠隔医療分野にも普及させたいです」(同)と意欲を示している。

(2022年4月号掲載)