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カイゼン活動を一本化、成果着々

鋳造品加工、大器機械(愛川町)は、品質や環境、生産性向上などの分野ごとに別々に実施していたカイゼン活動を統合、独自のマネジメントシステム「TMPS(タイキ・マシナリー・プロダクション・システム)」を運用し、着々と成果を上げている。

大器機械、独自のマネジメントシステム運用

従来は品質マネジメントシステム国際規格「ISO9001」や環境マネジメントシステム「エコアクション21」、5Sなどを推進し、それぞれ運用していた。

しかし、連日のように会議が絶えず、関係者にとっても負担になることから、各活動を統合。新たにマネジメントシステム・TMPSを2010年に開発し、一本化した。川合崇夫社長は「あらゆる分野を一体化させたカイゼン活動です」と説明する。

TMPSは、営業、製造、総務などが部門・業種を問わず参加する。具体的には、全社で進める“不変の活動”として「安全(衛生)と5S」「品質改善」「生産性改善」「技術力の向上(教育)」「環境改善(エコアクション)」「ブランディング改革」の計6テーマを設定。年初に社長が共通スローガンと6テーマに対する方針を表明する。

それに基づいて、各部課長が自分たちの部門の持ち帰り、社長方針と6テーマに対し、具体的な実施内容や目標を決める。

たとえ事務部門であっても「品質改善」や「技術力の向上」といった全体テーマが適用されるため、部門に合った活動内容に置き換え、テーマに沿った目標を設定しているという。

年初には全員参加でキックオフ大会を開催。その後は毎月1回のフォロー会議で進ちょくを発表し、最終的には年末の「改善成果発表会」で結果を報告していく。

活動中は、各部門のカイゼン活動内容や目標がまとめられた携帯カードを作成し、全社員は胸ポケットなどに携帯。常に心掛けられるように意識する。TMPSを始めたことで「部門間を超えて全社が取り組むようになりました」(川合社長)と話している。

なお、同社はトラックや建設機械のエンジン回り部品、産業用エンジン部品などを製造する企業。社員数40人超ながらも、取引先のほとんどの大手メーカーから1次サプライヤーとして位置付けられている。

■新規事業も展開

一方、新規ビジネスとしてサンドナイス(千葉県成田市)が農業向けに開発した自走式の異物ふるい機「すなっぴー」の車両製造を行う共同事業を始めた。

畑や砂浜、公園の砂場などに混じった異物を除去するもの。土などを掘り起こしながら前に進み、自動で水平運動する内部バケットに投入。ふるいにかけながら木の枝や石などを選別していく。これまで手作業でやっていた選別の半自動化が可能になる。

「今後は製造メーカーとしての位置付けも確立していきたいです」(川合社長)としている。

(2022年5月号掲載)