住まいの産業 / ライフサイエンス

廃プラリサイクル、カーボンフリーで

産業廃棄物処理業、グーン(GUUN、横浜市金沢区鳥浜町)は、カーボンフリーの廃プラスチックの再資源化事業を始める。今年11月にも約4億円を投じて本社工場に専用設備を導入。事業所から排出された廃プラをリサイクルプラスチック原料(リペレット化)する。設備の稼働にかかるエネルギーも実質カーボンフリーとすることで、排出事業者にとっては、二酸化炭素(CO₂)排出量をほぼゼロにしていく。

グーン、非化石証書を活用しCO₂相殺

同社は現在、回収された廃プラを工場内でフラフ燃料(廃プラスチック燃料)にリサイクルする事業を手掛けるが、4月にプラスチック資源循環促進法が施行されたことや、国内におけるSDGsに対する機運の高まりを受け、廃プラの資源循環につながる「マテリアルリサイクル」にも対応することでニーズをくみ取る。

今回、工場内に新設するラインは、廃プラを破砕し、光学選別して異物を除去。それを溶融して高性能なフィルターを通すことで高品質なリペレットにする。日量で最大15トン の処理が可能だ。

設備運転などにかかる「カーボンフリー」も実現する。具体的には、CO₂排出量削減に利用できる「非化石証書」を同社が購入し、消費した電力と相殺する。「非化石証書」は太陽光や水力、風力などの再生可能エネルギーで発電された電気が持つ環境価値を商品化したもので、購入すると再エネ由来の電気を使ったこととされ、CO₂排出量を減らしたと見なされる。

同社は今後、収集・運搬業者と連携し、企業に対して廃プラのリサイクル化を提案。リペレットを排出事業者に販売することも目指す。

「環境やSDGsに前向きな企業に働きかけていきたいです」(池田桂太朗所長)と話している。

(2022年7月号掲載)