DX / IT / IOT / ベンチャー

工場や設備のIoT化、ゼロから提案

通信機器受託開発のエルテック(川崎市高津区久本)が横浜市緑区十日市場町に「横浜事業所」を開設し、本格稼働させた。

エルテック、横浜事務所開設でノウハウ外販

鉄道や高速道路の通信機器などの製品設計を主力とするが、事務所開設を機にノウハウを外販。これまで培ってきた無線技術を中心に「無線によるコミュニケーションが必要なものならばゼロから受託開発します」(田代弘幸技術部長)としている。

同社はもともと、旭光通信システム(川崎市高津区)の酒井元晴社長などが出資し、約10年前に設立された。旭光通信を定年になった技術社員や、電機メーカーOBなどを採用。今後も社員を補強する計画。

旭光通信は、駅の構内で使用される電話機や指令電話システムなどを手掛ける企業で、高速道路用の通信事業も展開。鉄道の指令電話は関東以北でトップシェア、高速道路のETCレーンのインターホンも全国トップを誇る。ただ、目先の受注で手いっぱいとなっており、無線などの次世代技術を開発する十分な余裕がない。

このため、エルテックの機能を強化し、「旭光ではできないことを担います」(酒井社長)としている。

工場や設備のIoT化や5G(第5世代通信規格)対応など、何から着手してよいか分からない中小企業に対しても、要望を聞いたうえでゼロから提案する。必要に応じてセンサーを自社開発できる技術も持っているという。

(2022年8月号掲載)