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存続のためパート社員が奮起

横浜市の乳幼児一時預かり事業「まめっこひろば」を運営する、さや(横浜市鶴見区北寺尾)が、この7月に再スタートを切った。存続が危ぶまれていた同施設を守るため、パート社員だった押山道代代表らが立ち上がり、法人を新設して事業を引き継いだ。「経営どころか分からないことだらけ。でも、事業を一日でも途絶えさせてはいけないという思いで決めました」と、押山代表は語る。

さや、乳幼児一時預かり事業を継承

生後57日から未就学児までが対象。市内在住者なら1時間300円(早朝や夜は15分700円)、市外在住者は1時間1000円で利用できる。

市の「一時預かりWEB予約システム」で予約。歯科医院や美容院などに行くほんの少しの時間、このサービスを利用すれば、子どもの心配をせずに時間を過ごせる。

「産休・育休中で、お子さんを預ける時間で自分のスキルアップをしている人もいれば、入院などで一時的に子どもの面倒を見てくれる場を必要とする人もいます。また、子育てに悩む親の中には、登録するだけで精神的に安心するという人もいます」と、押山代表は語る。

子育てを頑張りすぎず、気軽に利用してほしいとの思いから、障害や病気などを理由に他施設で断られたケースでも、面談をして詳細を確認した上で、積極的に受け入れている。

■利用経験者も協力

もともと登録会員数が最大で約1500人を誇る乳幼児一時預かり施設だったが、老朽化を理由に事業撤退が決まっていた。そんな中で、施設を守るため、押山代表が仲間のスタッフたちと協力し新法人を設立。約20人いるスタッフの多くは、自身がまめっこひろばを利用したことのある母親たちだ。

「自分たちがここで助けられた分、子育てを支える場の必要性を一番分かっています」と押山代表。今後は新たな収益源を確保するため、自主事業にも挑戦していきたいとしている。

(2022年9月号掲載)