貴金属回収・リサイクルの七生工業(横浜市金沢区福浦)は、金めっきの排水成分に含まれる金を回収する環境配慮型装置「ナナオ・リバース」を開発した。従来、排水中の金を回収する方法は、イオン交換樹脂を投入して金を付着させた後に焼却、灰から金を取り出す方法しかなかったため、二酸化炭素(CO₂)を排出してしまうという課題があった。同装置は、樹脂を燃やさずに金を回収する。「世界でも初めての方式」(永井成士社長)としている。
七生工業、イオン樹脂再利用も可能
金だけでなく、銀回収にも使える。これまでの回収方法は、金めっき排水に投入したイオン交換樹脂が金イオンを吸着。回収した後に焼却すると、樹脂は燃えて金だけが残るため、そこから職人が精製し、純度の高い金にしていた。
ただ、回収のたびにイオン交換樹脂が消耗品になるほか、燃やすことで「ダイオキシン発生の懸念もあります」(永井社長)としており、環境に配慮した回収装置の開発を進めていた。