プラスチック板加工、ジーアシスト(川崎市高津区下野毛)は、アクリル製の雑貨やインテリア用品、収納グッズなどを続々と開発。ネット販売事業を本格化させている。「他素材と比べても加工性がよい」(大山剛社長)とする利点を生かし、日常生活でアクリルに置き換えられそうなものを商品化。アクリル板加工の可能性を追求する。今やEC事業の売上高構成比率は10%にまで高まっている。
ジーアシスト、社員発案で次々と商品化
自社の販売サイト「アクリル市場」のほか、楽天市場やヤフーショッピングでも展開。アクリル製コレクションケースや収納グッズ、ディスプレースタンド、パーテーションなど、数多くの自社商品を出品する。
「自社工場でやっていますし、ネット上で商品を置いても“賃料”は発生しませんので、社員のアイデアをどんどん商品化しています」と大山社長。まずは作ってみて様子を見るというサイクルを繰り返すことで、ニーズを探る戦略だ。ネット通販サイトを開設していることで、法人からの相談が寄せられることもあるという。
また、趣味やDIYで素材だけほしいという人向けに、アクリル板やPET板、塩ビ板などのカット販売もしている。
2020年からのコロナ禍では、あらゆる職場で飛沫感染防止に対する需要が一気に高まり、アクリルパーテーションは計6万枚販売。そのかいもあって、昨年度は会社の売上高も倍増した。
■プラ板加工専門
同社は1999年12月に設立した。同僚だった大山社長と桐山秀樹専務が、勤務先の倒産を機に独立。当時は工場を持たないファブレス企業だったが、数年後には川崎市内に工場を持つまでになった。
県内でも珍しいとされるプラスチック板加工の専業。アクリルを主体に扱っており、店舗内のディスプレーや什器、備品などを製造販売する。
プラスチック板と言っても、アクリルから塩化ビニール、ペット樹脂などの種類があり、厚さや色も豊富。1枚からでも加工に応じており、年間数千種類を手掛けるという。
「アクリルは、ガラスと違って加工性がよく、熱を加えて容易に曲げたり溶着で組み立てもできます。日常のあらゆるものがアクリルにも置き換えられるはずです」と大山社長。今後もアクリル板の用途拡大を狙っている。