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小規模醸造所向け「ワイン濾過機」開発

日本濾水機工業(横浜市南区井土ヶ谷中町)は、小規模醸造所向けの「ワイン濾(ろ)過機」を開発した。同社は点滴液や透析液など、生命に関わる注射用水を製造するための水処理装置を手掛ける企業で、独自技術の濾過フィルター「セラポア」は液体中の細菌を除去する特徴がある。この技術をワイン醸造にも使えないかと判断した。

150~200回再利用可能なフィルター

ワイン醸造は、濁りや腐敗のもととなる不純物や微生物を除去するため、フィルターによる「濾過」が欠かせない。ただ、多くの醸造所では、ランニングコストがかさむ使い捨てフィルターを採用している。

そのため、同社は数年前から開発に着手。粒度分布測定装置や分光光度計などで検証しながら濾過実験を重ねた。
新開発のワイン濾過機は、1回当たり700~1000リットルを1時間程度で濾過でき、その都度濾過した面を自分でブラッシングすれば再利用が可能という。使い方にもよるが、150~200回は使用できる。

「小規模醸造所であれば、既存の使い捨てフィルターと比べ、コストメリットが高く、作業効率もいいです」と、濾過ソリューション営業課の小山和弘主任。昨秋、同装置を展示会に出展したところ、ワインをはじめ、日本酒やビールなどの醸造を手掛ける20社以上から引き合いがあったという。今後は小規模醸造の現場に売り込んでいきたいとしている。

(2021年2月号掲載)