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プラの余剰材、自社工場でリサイクル

樹脂(プラスチック)成形機のスクリュー設計、日本油機(相模原市中央区東淵野辺)が製造販売するプラスチックリサイクル装置「SRルーダー・バンビ」が、原材料高を背景に注目されている。問い合わせ件数が昨年比の倍になっているという。

日本油機、原材料高で自社装置が脚光

同装置は、プラスチック成形工場では必ず発生する廃材や余剰材を専門業者に引き渡さなくても、自社工場内でそのまま再生原料(再生ペレット)に変えられるもの。いわば“自家製”を可能にするプラ再生装置だ。再生ペレットもバージン材(新材)と変わらない品質という。

「これまではプラスチック原料を1トン購入していた工場が(余剰材などを工場内リサイクルすることで)600キロの購入で済んだケースもあります」と、市川博章社長。

原材料価格が抑えられると同時に、環境配慮にもつながるとして、自動車や電機業界など、各産業分野からの引き合いが絶えない。

エンジニアリングプラスチック(エンプラ)やスーパーエンプラといった、無駄にできない高価な材料では、なおさら効果を発揮するという。

■SDGsも追い風

同装置に破砕された余剰材などをスクリューシリンダーに投入。そこで材料として劣化しないよう低温で溶融。そして、ひも状に押し出し水槽内で冷却、最終的にカットして再生ペレットにする。現在、処理量に応じて4タイプを用意。大型タイプ(約980万円=コールドカットタイプ)だと、1時間で30キロ製造できる。

「SDGsも追い風になっています」(市川社長)としており、すでに累計800台を販売。東南アジアを中心に売上高海外比率も3~4割に高まっているという。

(2023年2月号掲載)