相菱エンジニアリング(相模原市中央区相模原)は、「機械設計CADオペレーター」の育成に乗り出す。独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」から認定を受け、求職者支援訓練校として講座を開講する。卒業生たちを地域企業への就職につなげることで、企業の人手不足解消などに役立てる。国から認定を受け、民間企業が求職者訓練をするのは、全国的にも珍しいケースという。

求職者訓練をスタート

講座は9月中旬から2018年3月上旬まで開講。機械設計の現場で使える基礎技術の習得を目指す。期間中にキャリア・コンサルティングや面接指導なども実施する。

「商売でやるというよりも、人材を育てることで(地域企業の)モノづくり技術の継承に役立てるのが狙いです」と内泰弘社長は語る。

同社は、内社長をはじめ、三菱重工業・相模原製作所のOBを中心に構成される企業。機械設計などを主力事業としている。

そのため、修了後に同社の設計現場で“実践”を積んだ受講生たちを、企業に送り出すこともできるという。

■重工OBたちが指導

講座は、三菱重工・相模原製作所の研修センター長などを歴任し、長年新人教育に携わっていた武藤豊氏が統括。武藤氏は機械加工を熟知した「特級技能士」でもある。また、ホンダで設計者などをしていた伊藤一男氏も専任講師に就任した。

武藤氏は三菱重工を定年後、大学で教える一方、相菱エンジニアリングに入社。現在は同社トレーニングセンターのセンター長。武藤氏は「(現場で通用する)生の教育をしていきたい」と意気込みを見せている。

(2017年8月号掲載)