フォークリフトが非常用電源に早変わり-。建設機械販売・レンタルの旭フォークリフト(相模原市中央区田名)は、電動フォークリフトのバッテリーから家電製品に使用可能な100ボルト電源を取り出せる災害用電力変換器を開発、発売した。フォークリフト1台で携帯電話なら約270時間分、パソコンなら約55時間分の電力がまかなえる。

ポータブル電力変換器 開発

「ABI(旭バッテリー・インバーター)」と名付けた同製品は、普及が進んでいる48ボルトバッテリーのフォークリフト専用。大規模災害の直後に想定される電力不足対策に、フォークリフトを活用できないかと考え製品化したという。

同装置は持ち運びしやすく、保管もできる頑丈なジュラルミンケースとの一体型。重さ5.5キロ。ケースを開くと、変換器本体とプラグ、1 0 0 ボルト用コンセントが搭載されている。フォークリフトのバッテリー部分にプラグを接続し、本体スイッチを押すだけで利用できる。

「1社に1台あってもいい製品です。電動フォークリフトがあれば会社が避難所に変わります」と、横江利夫社長。価格は14万8000円(税別)。BCP(事業継続計画)を進める企業や自治体への販路を想定。年間100台の販売を計画する。

■本業の新規営業に自社製品活用

同社では、フォークリフトに関連するオリジナル製品を続々と開発している。3年ほど前から本格販売するフォークリフトに装着する雪かき用バケット「雪かき王子」(税別6万9800円から)は、2017年11月から18年2月までの4カ月間で計120台を販売。大雪に見舞われた日に、大変な労力や時間がかかる雪かき作業をフォークでこなすための“秘密兵器”といえるもので、「これまでスコップで半日かかっていた雪かき作業が、フォークなら30分で終わります」(横江社長)と言う。

同社では、インターネットなどで新規のお客さんから同製品の注文が寄せられた際、配送業者を使わず、あえて自社で届けている。その際に、主力事業であるフォークリフトの販売・レンタルの営業もしており、顧客獲得につなげている。

(2018年5月号掲載)