金属加工・樹脂加工・その他加工

締結部品、自動車分野で拡販

締結部品製造、ミズキ(綾瀬市小園)は、自動車業界での販路を拡大する。欧州などの外資系自動車企業で要求される品質マネジメントシステム規格「IATF 16949」を認証取得したほか、複雑な締結部品を効率生産できる専用設備も相次ぎ導入した。自動車業界は「100年に一度の大変革期」とされ、電動車へのシフトが加速しているが、車載用機器の精密化が進めば進むほど、同社の技術が生かせるとしている。

ミズキ、品質規格取得し設備も増強

ねじやナットなど、計2000種類以上の締結部品を生産。デジタルカメラとハードディスク駆動装置(HDD)、ヘッドランプなど自動車部品業界向けを主力とする。

このうち、自動車業界では脱エンジンの動きが活発化しており、関連する部品メーカーも対応に追われる。そのため、同社が手掛ける精密な締結部品も新しい需要が見込めるという。今後は、既存の国内大手自動車部品メーカー(サプライヤー)のみならず、欧州サプライヤーに対しても採用を働きかけていく。

1年以上かけて「IATF16949」を認証取得したのをはじめ、約1億円を投じ、「パーツフォーマー」(横型多段式鍛造機械)など、計3台の生産設備を導入。今年9月にも新規にNC旋盤1台と超高精度画像選別機を、地元・綾瀬市の補助制度を活用して導入する。

水木太一社長は「新分野の開拓をしていきます。ねじ屋から“総合パーツメーカー”を目指します」と意気込み、3~5年後には売上高に占める自動車関連の比率を半分程度にまで高めたい考えだ。

また、自動車分野での拡販により企業体力を養いながら、将来的には航空・宇宙産業やロボット産業への新規参入も見据える。

(2021年9月号掲載)