金属加工・樹脂加工・その他加工

オール神奈川の新工場稼働

ねじなどの締結部品メーカー、ミズキ(綾瀬市早川)は綾瀬市小園717-14に新本社・工場を建設、このほど本格稼働させた。綾瀬と山梨で役割分担していた生産体制を統合。既存工場の最大生産能力を2~3割上回る月産1億3000万本におよぶ締結部品の生産が可能になった。また、外注先だった横浜の切削加工業者と本格的に提携。同社の設備、技術者を新工場に入れたことで、技術レベルを高め、軽合金や樹脂素材の締結部品の開発にも力を入れていく。

月産1億3000万本

敷地面積4400平方メートル。鉄骨2階建て、総床面積3500平方メートル。総投資額は13億円。昨年1月に着工していた。「20年、30年後を見据えて建てた工場です」と水木太一社長。

工場内は、ねじ生産設備(圧造機)8台を新規導入し、計56台とした。切削加工機も提携先企業の分も入れて計8台に増やし、さらに、自動洗浄ラインを新規導入。「ミズキクオリティー」(不良ゼロ)を徹底するために測定室も拡充させた。

施工は大手ゼネコンではなく、相模原の谷津建設が担当。「建物はほぼ“オール神奈川”で完成させました」(水木社長)としており、神奈川発ねじブランドの構築を目指す。

現在、同社は2000種類以上の締結部品を生産。ナットやシャフトといった“締結”に関わる部品なら何でも対応している。

ねじの国内市場が縮小する中で、国内生産して海外市場で展開することを強化しており、海外売上高比率は6割を超える。一時は米スマートフォンメーカーのパーツも同社で供給した。

■ロボット、航空宇宙産業も視野

新工場稼働に当たり、これまで外注先の一つだった切削業者と本格的に提携し、同社の設備、技術者を迎え入れた。これにより“超特急案件”への対応が可能になったという。さらに、潜在需要が見込めるロボット産業や航空宇宙産業に対応する製品開発にも乗り出す。具体的には、チタンや樹脂といった、従来はねじの素材として使われてこなかった高機能材料を用いた製品を想定している。

(2018年1月号掲載)