機器・装置・製品/ロボット

世界で通用する精密ねじ

ミズキ(綾瀬市早川)は、市内に新工場を建設する。これまで綾瀬と山梨で役割分担していた生産体制を統合。生産効率化を図る。同社は、精密ねじやシャフトなど“締結部品”の専業。取引先の大手電機、自動車メーカーが海外生産するなか、国内生産を維持しながら輸出に力を入れることで成長を遂げる。「綾瀬発、世界で通用する部品メーカーになります」と水木太一社長。新工場建設は、そのための布石だ。

新工場建設を決断

場所は同市小園字下原。敷地面積4400平方メートル。ここに鉄骨2階建て、総床面積3400平方メートルの新工場を建設する。総投資額は13億円を予定。1月に着工、9月完成を目指す。

現在、同社は2000種類以上のねじを生産。ナットやシャフトといった“締結”に関わる部品なら何でも対応している。用途はハードディスク駆動装置(HDD)や自動車部品、デジタル家電など多岐にわたる。これまでは生産体制を綾瀬、山梨の2工場で分担。具体的には、綾瀬が太さ5ミリ以上、山梨が4ミリ以下のねじ生産を手掛けていた。ただ、「両拠点にまたがって生産する製品もあり、効率化を考えていました」と水木社長。今回の新工場建設に踏み切った。

新工場が稼働すれば、既存工場の最大生産能力を2~3割ほど上回る月産1億3000万本に及ぶ締結部品の生産が可能になるという。

なお、同社の計画は県の企業誘致施策「セレクト神奈川100」、地元・綾瀬市の「企業立地促進条例」に認定されている。

■世界ランカー目指す

「日本ランカーから世界ランカーになりたい」と強調する水木社長。国内市場が縮小するなかで、社員数50人に満たない同社が活路を見い出したのが海外市場だ。今では売上高に占める海外比率が6割を超えた。

「(海外企業との競争がある)量産品ではなく、付加価値の高い製品向けのねじを輸出しています。世界需要に目を向けています」という。そして「世界で通用するモノをつくることが、(当社にとって)一番の生き残る道なんです」と力を込めた。

(2017年1月号掲載)