次世代太陽電池として注目されるペロブスカイト太陽電池。その製造設備で世界市場を開拓する韓国企業が、日本市場参入を目指している。電子産業向けインクジェット設備メーカーのUniJet(ユニジェット、京畿道平沢市)は、従来の製造プロセスである真空蒸着やスロットダイコーティングと比べ、生産性に優れたインクジェット方式による製造技術を確立。米国や欧州への出荷も始めている。2026年1月21日から東京ビッグサイトで開催されるエレクトロニクス開発・実装展「ネプコンジャパン」に出展する。
インクジェット技術で量産効率化
UniJetは2002年に設立。「不可能を印刷する」を掲げ、韓国初の電子産業向けインクジェット印刷設備を開発し、12年には世界初のOLED(有機発光ダイオード)向けインクジェット印刷設備も生み出した。
同社の強みは、2500件以上の開発データや材料メーカーなどとの連携を背景にした、顧客が求める製品仕様に合わせたカスタマイズ能力。「インクの開発から表面処理、印刷、乾燥、硬化まで、全工程を一貫して提供できます」と金承翰(キム・スンハン)CEOは説明する。
また、光通信技術を活用したデータ通信により、ノイズのないリアルタイムでの印刷制御・検査も実現している。
同社が注力するのがペロブスカイト太陽電池の市場だ。同電池は09年に桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授が発明した日本・神奈川発の技術で、世界市場は40年に2兆4000億円に達すると予測される。
日本国内での市場形成はこれからとされているが、米国や欧州の一部では量産設備に対するニーズが高まっており、同社はすでにインクジェット方式の量産設備を出荷している。
通常、同太陽電池の成膜工程では真空蒸着や精密塗布技術「スロットダイコーティング」が使われている。ただ、金CEOは「真空蒸着は量産に向かず材料ロスが生じ、メンテナンスも必要です。スロットダイは大型電池への対応が難しいです」と指摘する。インクジェットによる成膜はコストや生産性で優位性があり、最薄で3ナノメートルの成膜も可能だという。「すでに日本企業からの問い合わせも来ています」とし、日本市場への手応えを語る。
ネプコンジャパンでは、ペロブスカイト電池向けのインクジェット成膜設備を中心に展示し、日本企業との連携を探る。





