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台湾の半導体ウエハー大手、横浜進出 日本市場の需要開拓

半導体材料製造の世界的企業、台湾のウェーハワークス(Wafer Works、合晶科技)が横浜市港北区新横浜に日本法人を設立し、本格稼働を始めたことが分かった。世界でも上位に入る半導体ウエハーのサプライヤーとして日本市場の潜在需要に着目。世界的なAI需要拡大の中、日本独自の半導体市場に照準を定める。

日本企業・大学とも連携意欲

<p日本法人「ウェーハワークスジャパン」(中山秀二代表)は、新横浜駅近くのEPICタワーに入居した。半導体製品を顧客に、技術的な側面からサポートするアプリケーションエンジニアの業務や営業拠点としての役割を担う。

新横浜を選んだ理由について張憲元総経理は「羽田空港から近く、新幹線の駅もある好立地のため」と話した。

また「(200ミリウエハーなどの)レガシー半導体の需要は日本にはまだある」とし、潜在顧客に対して直接アプローチし、技術サービスを提供することで取引先を拡大、日本法人の売上高を年々倍増させたいと意欲を示した。

台湾ウェーハワークスは、半導体デバイスに広く使用されている「ポリッシュドシリコンウエハー」や「エピタキシャルウエハー」などを生産。台湾積体電路製造(TSMC)をはじめ世界中に供給し、200ミリウエハーで世界シェアの8.1%(2024年)を占める。グローバルで従業員2000人以上、時価総額1000億円超、台湾と中国で株式上場している。

現在、AI(人工知能)向けを中心とした世界的な需要増に伴い、主流となっている300ミリウエハーを増産するため、台湾と中国で工場の増設を進めている。張憲元総経理は日本企業や大学との連携にも意欲を示しており、今後は地域経済への波及効果も期待される。

(2025年11月掲載)