ぱんつくってるカンパニー(川崎市中原区新丸子町)は、クロワッサンを看板商品としたパンと焼き菓子の店「Papapapa-n!(ぱぱぱぱーん)」を2店舗運営する。東京とフランスで修業した神戸友輔代表を中心に、本場の発酵バターを大量仕入れしてコストを抑えるなど、高品質なパンを日常生活で楽しめる価格で提供し地域の人々に愛されている。栄養を考えた健康志向のパンをスポーツジムに納めるなど、企業からの大口発注にも対応している。
川崎のパン店、看板はクロワッサン
神戸代表は都内のレストランなどでパティシエとして経験を積み、フランスのパンと焼き菓子の店「メゾン・ランドゥメンヌ」の日本進出を準備するメンバーとしてフランスでも学んだ。
2018年に独立し、東急新丸子駅から徒歩2分の場所に1号店を開店。19年に合同会社形式で会社を立ち上げるとともに、JR武蔵新城駅から徒歩4分の2号店をオープンした。
「店の名前はかっこいいフランス語にせず、クスッと笑ってしまうなじみやすい店名ながら、しっかりした商品を出すコンセプトにしました」(神戸代表)という。
看板パンのクロワッサンは、フランス産発酵バターを粉対比60%以上とぜいたくに使用し、外はサクサク、中はもっちりと焼き上げる。価格を抑えるため、バターは本場から25キログラム単位の塊で船便輸入し、自分で切り分ける。
定番商品のほか、四季の果物などを使う季節商品や、子どもが喜ぶアイデアパンなどもそろえた。客単価は3〜4個で1000円程度、毎週まとめ買いするリピート客も多く毎年5000枚のスタンプカードを印刷して配布している。
そのほか企画商品では、1歳の誕生日を迎えた子どもを祝う「一升パン」は、米や餅を背負わせる日本の風習をアレンジした受注生産商品で好評だ。
また、大口受注では、スポーツジムの依頼でソーセージやチーズで栄養素を強化した「タンパクパン」を納入するなどの実績があり、顧客の要望に合わせたオーダーメードのパン作りが可能という。
社員は神戸代表含め4人で、全員が30代。独立を目指す社員には月2回、定休日の新丸子店を自由に使わせて、メニュー開発や原価計算、販売の経験を積ませている。
「昔のような厳しい修業ではなく、若い人のお店を持つ夢を応援したいです。社員だけでなく、外部の若い方にお貸しするのもいいかも」(同)と話している。