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台湾産パイナップルの葉、再生繊維で環境配慮型セーター 

台湾の名産の一つでもあるパイナップルは、食用だけでなく、葉から取った繊維(PALF)も衣類の原料として利用できる。アパレルメーカー、優織隆(UKL、新北市)は、農場でPALFを取り出して開発した新たな素材でセーターやニットウエアを作る事業を始めた。環境配慮型のブランドとして、日本市場への浸透を目指す。

節水効果や強度に強み

1988年の設立。中国や東南アジアに生産拠点を構え、米国やカナダなどの市場に年間400万〜500万枚を供給している。

PALFを活用した商品開発の契機は、中国が2021年、台湾産のパイナップルの輸入停止を発表したこと。輸出のほとんどが中国向けだった台湾パイナップルは、大きな影響を受けた。

同社は、これまでほとんどが廃棄されていた葉の再利用に着目。台湾政府が生産農家の支援のため整えた補助金を活用し、繊維の製造機械を開発した。農場で葉を投入し、繊維を取り出す。

PALFは生産工程の節水効果に優れる。コットンの生産と比較して9割以上、水の使用量を抑えられるという。繊維の強度や抗菌性も高い。

環境配慮型商品の売上高を現状の10%程度から、2年間で30%に引き上げることが目標。

謝煥麒執行副総経理は「日本市場はサステナブルな製品への関心が高いです。環境配慮型の商品というストーリーを伝えたいです」としている。