海外注目企業・海外ベンチャー

EV商用車向けの車載ECU OS提供で顧客側開発も支援

自動車に搭載された多様なシステムを制御するのが電子制御ユニット(ECU)。台湾で2022年に創業したスタートアップ企業、科飛數位(KopherBit、新竹市) は、主に商用車向けの車載ECUを開発。顧客の需要に合わせた独自の開発を支援するため、オペレーティングシステム(OS)の開発プラットフォームも提供し、日本市場への参入を図る。

台湾・工業技術研究院からスピンオフ

台湾のEVバス制御で市場シェア7割

ECUはパワートレインからバッテリー管理、ウインドウの開閉まで用途が幅広い。電気自動車(EV)の普及に伴い、油圧やシャフトを使わず電気だけでステアやブレーキを行う「X-by-wire」のシステム制御でも、需要が高まる。

同社は商用車市場に照準を合わせ、さまざまな車種に活用できるよう汎用性の高いECUを開発している。取引先は、台湾の世界的にも有名な製造受託企業など。台湾で導入が進むEVバスの制御では市場シェアの7割以上を占めるという。

自動車分野と航空分野の専門家2人が創業

OEM供給が広がる自動車産業の動向をにらみ、クライアントが需要に合わせてアルゴリズムを開発できるよう、ツールも供給している点が特徴だ。

台湾当局の外郭団体、工業技術研究院(ITRI)のスピンオフ企業で、自動車分野と航空分野を修めた2人の専門家が創業した。これまで欧米市場でEV向けに製品をPR。「日本市場では信頼性が重視されます」(ファウンダー兼CEOの王詠辰氏)として、日本の商社経由で自動車部品産業の市場参入を目指す。