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工場内の環境をAIで最適化

MEMOテクノス(相模原市南区大野台)は、同社で製造販売する小型IoTツール「μ ³(マイクロキューブ)」を使って工場内の温湿度を監視し、AI(人工知能)とコントローラーで常時最適な環境に保つシステムの開発に着手した。中規模や大規模工場などで、材料を保管する環境や、工場内の作業環境などを無人で維持できるとして年内の製品化を目指している。

超小型IoTツール活用、制御まで自動で

工場の天井に設置されているシーリングファンや空調機をコントロールする用途を想定する。金属材料などを扱っている工場は、外部環境によって室内の温湿度が常に変化しており、放置すれば結露などが付着する恐れがある。そのため、現在は室内環境を有人管理しているが、人手不足や新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で、無人管理と自動化に対するニーズが高まっているという。

■ビッグデータを活用

開発中のシステムでは、小型IoTツールを室内外に取り付け、そこから得られた温湿度の情報をサーバー経由でコントローラーに送り、自動制御する仕組み。工場外で常に変化する天候や気温によって内部環境がどう変化するかのビッグデータから、AIが室内の最適値を割り出し調整する。

渡邊将文社長は「新型コロナ感染拡大による外出自粛などで、工場の管理もできるだけ人を減らしたいと考える企業もあります。どんな製造業でも、工場の完全自動化は難しいですが、室内環境の管理などを自動化することで、少なくとも半自動化はできるはずです」と話している。開発後はファンメーカーや商社と連携し、システムを普及させる考えだ。

(2020年5月号掲載)