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社員の幸福度、どう上げる 中小企業のウェルビーイング経営

機械設計・製造のAZAエンジニアリング(相模原市中央区鹿沼台)は、従業員が身体的・精神的・社会的に満たされ、生き生きと働ける職場環境を目指す「ウェルビーイング経営」に注力する。健康経営を進める一方で、全社員を対象とした「幸福度チェック」も定期的に実施。神奈川県の支援を受けて専門家にも入ってもらい、社員の幸福度を高めている。

オフィス改善、週休3日定着

健康経営優良法人として4期連続で認定を受けている。もともと、設計業務主体の同社は、高ストレスがかかる短納期の案件も多いという。加えて、社員の平均年齢が高くなってきたことや、体調不良を理由に休む社員も出てきたことで健康経営を始めた。

具体的には、創業以来続ける1日2回のラジオ体操のほか、スポーツクラブや運動教室などにかかる月会費の一部補助(3000円)を実践。職場ではリフレッシュや癒やしにつながる観葉植物を80鉢以上置く。

さらに、プライベートの健康支援として、社員全員に重炭酸泉入浴剤を約1カ月分支給するほか、旬の野菜について学び、配布して家族にも食べてもらう「食育マルシェ」を開催するなど、独自の取り組みを実践している。

長谷川孝社長は「次のステップとしてウェルビーイングを目指しています」と述べており、今後は心身の健康のみならず社員のワーク・ライフ・バランスを重視していく。

すでに週休3日やテレワーク勤務を定着させたほか、社員の誕生日には高級食材を自宅に届けている。「テレワークが増え、直接顔を合わせる機会が減っている中、社員に『会社はあなたのことを大切にしている』という思いを伝えています」と長谷川社長。社員から好評を得ているという。

心地よく働ける環境を整えつつあることで、定着率が向上。ここ数年、退職者はほとんどいないとしている。

(2024年12月号掲載)