旭工業(綾瀬市早川)は、加工が難しいカーボン素材を使った炊飯専用調理器「Sumi Kome」を発売した。同社の自社ブランド「Sumi」シリーズで、炊飯に特化した7作目。「渾身の新作」(嶋知之社長)としており、個人のみならず百貨店やホテル・旅館への販路拡大も狙う。
百貨店・ホテルに拡大狙う
産業用向けカーボン加工の専門企業。同社が手掛けるカーボン部品は、熱処理装置や半導体シリコン成形部品など、産業分野で広く使われる。カーボンは割れやすくデリケートな素材で、加工にはノウハウが必要のため、県内でも専門企業は少ないとされる。
こうした技術の強みを生かし、6年前からオリジナルの自社商品開発に着手。「熱が伝わりやすく遠赤外線効果がある」というカーボンの特徴から、調理器の市場に参入。トースターや鍋などを続々と開発してきた。
新製品となる炊飯専用調理器は、製品の試作開発段階で「お米が特においしく炊ける」との評価を受けたため開発した。「家庭で簡単に、そして楽しく調理できる製品を目指しました」(嶋社長)。
最初に強火で3~4分加熱し、沸騰したら弱火で5~6分。火を止めてから10分ほど蒸らす。通常の炊飯器の早炊きより大幅に早く調理でき、しかもフッ素コーティングにより焦げ付きにくく、後片付けも簡単という。価格は5万9400円。ガスコンロやIHにも対応した。