韓国の中小企業支援や日本との連携の可能性について、韓国の「素部装技術融合フォーラム」の成学慶・運営委員長(サムスン電子元専務)に聞いた。
成学慶・素部装技術融合フォーラム運営委員長に聞く
─フォーラムは民間主導の連携組織と聞きました。
「そうです。日本と同じく、韓国でも行政による中小企業支援はあります。ただ、支援を受けられる中小企業はほんの一握りです。その点、私たちはさまざまな分野の中小企業に参加してもらい、変化に合わせて素早く対応するために民間主体の運営をしています」
─初の海外共同出展です。
「そもそも韓国は市場が小さいため輸出をしないと成長できません。そのため、中小企業でも外に目を向ける必要があります。とはいえ、1社単独では海外にアピールできません。今回のネプコンでは、よい場所にブースを構えることができましたが、それはフォーラムで共同出展したからこそです。今後は日本のほか、米国や中国にも出していきたいと考えています」
─会員300人を抱えています。
「3年前はわずか40人しかいませんでしたが、今では毎月5、6社が入会し、毎月セミナーや交流会を開いています。素材と部材、装置の3分野でそれぞれが交流することで相乗効果を生み出すことを狙っています」
─日本企業との連携については。
「日本にあって韓国にはない技術、あるいはその逆も含め、まずは日本の中小企業との交流を深めなければ連携には発展しません。今回、神奈川の企業とも交流しましたが、今後はこうした機会を増やしたいと思います」
略歴
ソン・ハクギョン 延世大学校機械工学修士、東京工業大学制御工学博士。2021年12月までサムスン電子専務。現在、素材・部品・装備技術融合研究組合理事長、素材・部品・装備技術融合フォーラム運営委員長。