住まいの産業 / ライフサイエンス

現場を毎日訪問、依頼は即日対応 住宅の信頼は「凡事徹底」

新百合ホーム(東京都町田市大蔵町)は、大手、中小を含めて競合がひしめくリフォーム・リノベーションや新築の分野で、「当たり前」を地道に実践することで業績を伸ばしている。地域の工務店として地域密着はもちろんのこと、工藤誠社長自ら、仕事の大小を問わずお客さんの現場に毎日足を運ぶなどして、信頼を得るための地道な努力を惜しまない。そうした積み重ねが同業他社との差別化にもなっている。

リフォーム・リノベで業績拡大

2010年5月に工藤社長が脱サラして始めた企業。マンションや住宅のリフォーム・リノベーションを中心に、新築も手掛けている。社員数3人ながらも大小トータルで年間180件の工事をこなす。

「当たり前のことを当たり前に」

工藤社長は「私たち地域工務店は大手と同じことをやっていたら生き残れません。大手がやらないことをやっています。それは“見えない部分”にあります」と強調する。

その一つが、自身が経営する上で大切にしている凡事徹底だ。「(差別化の一つは)当たり前のことを当たり前にやることです」。具体的には、お客さんの現場には毎日顔を出す。「人は会えば会うほど親密になりますし、信頼関係にもつながります。お客さんが不在ならば、現場の協力業者と話をします」

新築事業の拡大を狙う

その協力業者も「下請け」とは呼ばず、仲間として扱う。これらの“当たり前”をどこまでも愚直に実践することこそ大切だと説く。

一方、地域工務店ならではの小回りが利くスピード感も売り。例えば、見積もり依頼などの問い合わせがあれば、即日出向く。「時間は作れるはずです。その日に行くのと、2日後に行くのとでは、お客さんの熱量が変わってきます」

そして「いかにリピートしてもらえるかが大切です。そのためには当たり前を徹底していきます」と力を込める。

今後の目標は新築事業の拡大。土地の仕入れから新築、販売までを一貫して提供することにも注力していく。

(2024年12月号掲載)