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五月台駅前の醸造所 自家製クラフトビール文化を

ペコラビール(川崎市麻生区五力田)は、小田急線・五月台駅前にオープンしたクラフトビール醸造所兼ビアバー。先行して1月から日本各地のクラフトビールが楽しめるビアバーとして開業、地域のビール愛好家に愛されている。このほど醸造設備の導入を完了。いよいよ、33歳で起業した福澤雄太CEOの想いを込めた自家製クラフトビールの提供が始まる。

愛好家が念願の起業

駅南口から徒歩30秒の店舗にはカウンターと小さなテーブル、ガラス越しに5つの醸造タンクが並ぶ。

新鮮なビールを注ぐタップが9つ

カウンター内には新鮮なビールを注ぐタップが9つ並び、世界そして日本のクラフトビールを900円〜1700円で提供。自家製のジャマイカ風スパイシーチキン(600円)や牛すじビール煮込み(800円)も自慢だ。

福澤CEOは、会社勤めを辞めて大学に戻り経営学修士(MBA)を取得、合わせて夏休みを米ロサンゼルスで過ごしクラフトビール文化に触れた。

会社を辞めて経営学修士(MBA)を取得

帰国後は働きながら勉強を重ね、ビール審査のエキスパートである「ビアジャッジ」の資格を取るとともに人脈を広げ、2023年4月に念願の起業を果たした。

今年6月には、醸造設備も設置。ビールは一般的なピルスナーやペールエールのほか100種類もの「スタイル」があり、福澤CEOはまずロサンゼルス時代の思い出がある「ウエストコーストIPA(インディアペールエール)」の醸造から始める。ホップをふんだんに使っており、苦味が強く香り立つビールになるという。

同社はビール醸造所と飲食店の許可のほか、酒類販売の免許も取得。出来たての新鮮なビールの持ち帰りや、炭酸を保持する特殊な水筒とセットでの贈答も可能だ。

「日本酒の地酒の感覚で」

営業時間は水曜日から金曜日の午後3時から同10時、土日祝日は午前11時から午後10時。

同社は日本にクラフトビール文化を広げるべく、近隣のイベント販売に積極参加。過去には麻生区の市民提案型協働事業に「あさおホッププロジェクト」が採択され、市民と共にホップを育て地域の緑化と麻生区のビール作りに取り組む。

福澤CEOは「日本ではまだ大手のビールを好む方が多いですが、日本酒の地酒の感覚でクラフトビールを楽しんでいただければ」と話している。

(2024年8月号掲載)