住まいの産業 / ライフサイエンス

「カビ指数」から発生予測 測定機器と空調の接続システム

アメニティ・テクノロジー(川崎市麻生区東百合丘)は、カビ対策事業を展開する。医療や食品関連施設、美術品の保管庫などカビ発生が許されない拠点向けに、発生を予測する測定機器と空調機器をネットワーク接続したシステムを設計・施工する。クリーンルーム事業に続く、新たな経営の柱に育てる方針だ。

医療・食品保管の用途想定

2004年設立のファブレス企業。開発・設計したクリーンルームを外部企業と連携して精密電子機器の工場などに施工するほか、新型コロナウイルス対策として部分的な閉鎖空間を作る簡易陰圧室や移動型陽圧室を医療機関などに納入した実績がある。

空気の流れを可視化する装置など、各種の検査機器も用意している。

「コストと信頼性を最適なバランスに」

カビ予防事業は、一般社団法人・カビ予報研究室(東京都中央区)と連携し、温度や湿度の変化でカビが発生しやすい条件を指数化した。

透湿性シートにカビのセンサー菌を封じ込めた「カビセンサー」を設置して伸びた菌糸の長さを定期的に分析するほか、ネットワークシステムに「カビ指数測定システム」と空調機や除湿機を接続し、温度・湿度の変化から独自のアルゴリズムで空調をリアルタイム制御する。

価格はシステムの規模により数百万円から数千万円で、リース契約にも対応する考えだ。

永安克志社長は「カビを防ぐために空調機器を無休・連続運転すると電気代がかかるうえ、漏電による火災のリスクがあります。カビから守る対象物に合わせて、コストと信頼性を最適なバランスにしたシステムを提案します」と話している。

(2024年7月号掲載)