金属加工・樹脂加工・その他加工

オリジナルカラーの工業用塗装 塗料混合で模様も創作

髙田金属塗装工業(厚木市下川入)は、約1000色から特性を組み合わせることで、オリジナルの色と模様を創作する特殊塗装の技術を開発した。特徴が異なる塗料を混ぜ合わせながらも、従来の工業用塗装と変わらない防錆性や耐久性を実現した。この技術を使って工業用塗装の新たな用途開拓を進めていく。

温度で変色する特殊塗装も

工業用塗装の分野は、さまざまな色があるだけでなく、メタリックや凹凸を出すタイプなど、模様も多種多様だ。

「工業用塗装の可能性を広げたい」

同社は粉体や静電塗装を中心に、あらゆる工業製品の塗装を手掛けているが「この技術を新しい業界にも売り込めないか」(髙田敏弘取締役工場長)と開発したのが今回の特殊塗装。金属のみならずプラスチックにも対応できる。

工業用塗装の多くは単色が求められるため、複数の色を混ぜることはほとんどない。混ぜ合わせるとなっても、相性が悪い色・塗料が存在する。その点、同社は各特性を熟知しているため可能だという。

まずは”標準品“として、年間50種類のオリジナルカラーを創作。デザイナーと組むことも想定する。

温度の変化が塗装から目視できる

例えば、デザイン性を重視する住宅エクステリアなど、同社にとって未開拓の分野にもニーズが見込めるとしている。

髙田取締役は「工業用塗装の新たな可能性を広げていきたいです」と意気込みを見せている。

一定の温度になると、色が変わる特殊な工業用塗装の技術も開発した。産業機械などの筐体に同塗装を施すだけで、温度変化が目視できるようになる。

高温になると色が変わる特殊塗料は、一般的にも市販されているが、それを防錆性などにする技術はなかったという。今回製作したサンプル品は、22度から45度になると黒から白に変化する。今後は同じく用途開拓を図っていく。

(2020年2月号掲載)