クロス業界に女性旋風を巻き起こしたい―。クロス工事業のTABATA(相模原市中央区田名)は、育児中の女性を対象とした時短勤務制度を導入した。職人不足が続く同業界で、女性職人を育成し、活躍してもらうのが狙いだ。

「初めて仕事に充実感」

こうした中、同社に今年入社したばかりの施工部・影山理佐さんも女性クロス職人として“一人前”になるべく奮闘している。

「初めて仕事で充実感を覚えました」。そう語る影山さんは3児の母。子育ての真っ最中だ。

クロスの仕事は、失敗が許されない世界。一度、壁に張ってしまえばやり直しができないからだ。そのため、作業中は真剣そのもの。腕の良い職人ほど、継ぎ目が分からず仕上がりが美しい。

■子育て中でも職人目指せる

そんな世界に身を置く影山さんは、自身が実業団時代まで打ち込んでいたソフトボールの世界とクロスの仕事を重ね合わせる。

TABATAに入社以来、日々、事務所内を練習場にして、クロス張りの練習をしているが、先輩職人とともに現場に行くこともある。

「(クロスの仕事は)時間が経過するのがあっという間です。終わったときの達成感が何とも言えません」と語る。

子育てと職人修行の両立に「寝不足です」と笑顔で答えるが、それでも「子育て中の女性でも職人が目指せることを示していきたいです」と、毎日が一生懸命だ。

(2019年11月号掲載)