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セラミックフィルターの生産を脱炭素化

水処理装置製造、日本濾水機工業(横浜市南区井土ヶ谷中町)は、事業の中核であるセラミックフィルター(素焼濾過筒)「セラポア」の製造の脱炭素化を進める。1918(大正7)年の創業以来継承する焼成炉による生産から、二酸化炭素(CO2)排出が少ない電気焼成炉に転換し、生産効率の向上にもつなげる。

歴史100年の製法から電気焼成炉へ

同社が製造販売する濾過機は、製薬や飲料、化粧品業界などに採用されている。その中に使われるセラポアは水の高精度なろ過ができることから、飲料業界では酸性液体向けの耐酸セラポアにも対応している。

セラポアの製法は創業以来、実に100年以上受け継がれており、珪藻土を原料として、特殊なプロセスで高温焼成する。

ただ、脱炭素に対する世界的な機運の高まりや生産効率化を狙って、これまでの重油焼成炉による製法を改め、再生可能エネルギーを活用した電気焼成炉を導入した。

同設備にはセンサーが炉内の温度や環境を常時監視・制御するシステムも組み込んだ。これにより「稼働には経験と知識が必要でしたが、新人やシルバー人材でも効率的に作業できるようになります」(生産部・川畑治さん)としている。

また、同設備は分割できるように設計。万が一、自然災害が起こった時には、分割して移動したり、部分的な修理をしたりすることが可能だ。現在試運転中。生産条件などの検証を重ね、来年度の本格稼働を予定する。

(2024年12月号掲載)