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デイサービスの現場でAI活躍

「デイサービス プレゼンス」を運営するPRESENCE(横浜市金沢区六浦南)は、声を出すだけでその人のメンタルヘルスの状態をチェックできる AI(人工知能)システムを試験導入した。デイサービス利用前後の数値の変化を利用者や家族に示すことで、介護サービスの見える化を図る。職員にも適用し、働き手の心のケアにもつなげていく。

心の状態を声から数値化

試験導入したシステムは、ベンチャー企業のリスク計測テクノロジーズ(同市中区桜木町)が手掛ける「マインドヘルス計測システム」。

タブレット端末に向かって声を数秒間発すれば、マインドヘルスを示す数値(マインドアクティビティ)が 1〜100 まで表示される。これを本人の平均値と比べ、毎日の数値がどう変化しているかを分析、ストレス度などメンタルヘルスの状態をつかむ。

PRESENCEでは、デイサービス利用者に対し、毎回、利用前と夕方の帰宅前に計測する。例えば、1日で数値の変化が大きかった場合、その原因を探るなどして、サービス品質の改善につなげる。

「サービスは目に見えないものですので、数値の変化を家族にも示すことで安心感につなげたいです」(三戸究允社長)と説明している。

デイサービスで働く職員も日々計測する。職員のメンタルヘルスの状態を管理者が把握し、早期にケアすることで、従業員満足度や定着率の向上に役立てる。

三戸社長は「(数字を見ることで)コミュニケーションの取り方が変わってきます」としており、来年度から同システムの本格導入に踏み切る考えだ。

(2020年10月号掲載)