金属加工・樹脂加工・その他加工

花瓶に入れる金属製の抗菌グッズ

野口製作所(綾瀬市深谷南)は、得意の精密板金技術を駆使し、超小型の抗菌グッズを開発した。抗菌・抗ウイルス効果があるとされる銅・真ちゅうの薄板を“小さなおうち”の形にしたもの。花瓶に入れることで雑菌の繁殖を抑え、水の腐敗を抑制。水の透明な状態を長続きさせる。自社商品ブランド「Ori(折り)」シリーズとして展開していく。

銅・真ちゅう製の薄板を板金加工

市内の中小企業が参加する「あやせものづくり研究会」に所属する同社が、有名プロダクトデザイナーと組んで完成させた。

「Ori House」と名付けた同商品は、板厚0.8ミリメートルの素材を加工した。「プレスや溶接をせずに曲げ加工のみで仕上げようと思いました」(野口裕社長)。

サイズは20ミリ角。「(加工は)結構やっかいでしたが、すき間がなく精度を出しながら安定して生産できる製法を確立しました」と胸を張る。

同社はこれまで、コロナ禍で抗菌・抗ウイルス商品に対するニーズが高まる中、板金技術を用いたマスクケースやティッシュケースなどを商品化。今回で自社ブランド商品の第5弾目となる。

「よく花瓶に10円玉を入れている人がいますが、『Ori House』は同じ効果です。見た目も美しく、色の経年変化も楽しめます。効果も続きます」

銅と真ちゅう製の2種類を用意。価格は銅製が3850円。直販サイトなどで販売する。今後は付加価値が高い「メード・イン・ジャパン」商品として海外市場への進出も目指している。

(2024年5月号掲載)