ビジネス支援 / 士業 / サービス

セミナー主催代行で決裁者を集客

AndTech(アンドテック、川崎市多摩区登戸)は、決裁権がある大手企業の研究開発者などと接点を持つためのセミナー(講演会)代行サービスを始めた。同社は大手・中堅企業向けに最先端技術動向などのセミナーを企画・運営する企業。中小企業がセミナーを主催し、集客までを同社がワンストップでサポートすることで、大手の担当者を呼び込み、ビジネスチャンスを創出する。セミナーは幅広いテーマに対応。「膨大なコストをかけて、1年に何回も展示会へ出ても営業につながる結果が得られるかは不明です。その点、アカデミックなセミナーなら大手の担当者が呼べますし、チャンスが広がります」と、陶山正夫社長は話している。

中小対象にワンストップサービス

■年400回開催

技術系書籍の出版やセミナーを手掛ける企業で責任者を務めていた陶山社長が2009年8月に設立した。高分子やフィルム、プラスチック成形、バイオプラスチック、再生医療...。あらゆる分野で研究開発の最前線にいる研究者や企業と、陶山社長らが培ってきたネットワーク・情報を生かしたビジネスを展開している。

具体的には、大手・中堅企業向けに技術セミナーや事業開発コンサルティング、マッチング、マーケティング支援などを実施する。

セミナーは製造業の技術開発に関する内容を中心に、年300~400回開催。コンサルティングでは、大手企業出身のOB人材などが2000人以上登録しており、企業の要望に応じて派遣。新事業開発のためのスポットコンサルも受託している。

■展示会よりも結果

今回、そんな同社が中小企業向けに始めたのが「企業主催講演会代行サービス」だ。

新技術・新製品・新事業を展開しようとしても、ターゲット業界で決裁権がある大手企業の研究者にピンポイントでつながるのは難しい。かといって展示会に出展しても、商談につながる成果が出るとも限らない。

そこで同社がセミナーの企画・運営ノウハウを生かしサポート。中小企業にとっては自社主催のセミナーが行え、テーマ設定や講師派遣、集客、アンケート結果のフィードバックまでを一貫して同社に代行してもらえる。

「テーマを決め、業界の権威や大手企業の部長クラスなどに講演してもらいます。主催企業の講演やPRを入れることで効果的になります」(陶山社長)。予算に応じてセミナー後の交流会も用意できるという。「セミナーは参加無料ではなく有料にするのもポイントです。そうすると、本当に聴きたい人しか来ません」

開催規模は50人ほどを想定。研究者のみならず、設計や工程管理の担当者なども呼べる。代行費は100万円程度。

陶山社長は「年間3回展示会に出るなら、そのうち1回をセミナーに置き換えられる金額です。キーパーソンたちを呼ぶので、話も早く進みます。展示会よりも結果が出ると思います」と語っている。

(2024年6月号掲載)