住まいの産業 / ライフサイエンス

高濃度酸素でペットを元気に

ユニコム(川崎市宮前区梶ヶ谷)は、酸素濃縮器を利用したペットの健康事業を拡大する。事業本格化から1年、これまで動物病院との連携を中心に犬や猫のケージ内に高濃度酸素を送るシステムで重症のペットの看取り需要に対応してきた。2年目はペットの健康維持の用途に事業を拡大し、ペットショップや屋外イベントでの展示を増やすほか、外部企業との連携により商品群も拡充を図る。

外部連携で商品群拡大へ

p>酸素濃縮器は、内部に窒素を吸着させる性質を持つゼオライトが入ったシリンダーが取り付けられており、コンプレッサーで加圧と減圧を繰り返すことによって窒素が取り除かれて酸素が生成される(PSA方式)。

商品ラインアップは、酸素の供給量が毎分3リットルで小型犬用の「オキシランドZ-3000」、毎分5リットルで中・大型犬用の「同Z-7000」、毎分1リットルで移動時などに使う「オキシビーナスミニ1000」の3種類。接続して酸素を吸わせるためのケージもXSからLまで4種類の大きさを用意している。

料金は主力のZ-3000が基本契約料9500円でレンタル料が月1万円。買い取りの場合は20万1850円。ケージは全て買い取りで、スクエアMサイズが9900円(税込み)。

同社はベンチャー企業として2000年に創業、22年11月に電子機器メーカーのエッチ・エム・イー(三重県桑名市)が買収し、全額出資子会社として事業を本格化した。

この1年間で約1万台を出荷、中期的には親会社のセンサー技術との相乗効果や外部企業との連携により5万台の出荷を目指す。

深澤将一・取締役経営戦略室長は「顧客とのSNS交流など、酸素でペットが元気になる事例を見える化していきたいです」と話している。

(2024年3月号掲載)