プリント基板設計製造、高城電気製作所(相模原市緑区青野原)が「ものづくり事業部」を新設し、活動を本格化させている。創業以来、約40年間にわたり、基板設計から部品実装までを手掛けてきたノウハウを生かす。すでに融雪ヒーターと制御装置で構成される「道路ヒーティングシステム」を開発。今後はドローンの自社生産にも挑戦していく。
基盤設計で磨いたノウハウ活用
同事業部が開発した道路ヒーティングシステムはいわば「道路の床暖房」。地面に無数のヒーター線を敷いたうえで舗装される。
積雪対策の一環として寒冷地の道路で採用されており、除雪作業ができない道路や急勾配の坂道などに使われる。
同社製の場合、ヒーター線の素材として一般的な「銅ニッケルクロム合金」ではなく、炭素繊維を採用。省エネ性が高く、ノイズも出ないためETC(自動料金収受システム)などに影響を与えない特徴がある。
また、凍結した道路で高齢者などが滑って大けがをするケースが後を絶たないため、歩道や家庭用などへの用途開拓も進める。
一方、地元・相模原市内には、ドローン飛行場やスクールなどの“インフラ”があるため、今後は同事業部で国産ドローンを開発できないかを検討。その際、自社製の基板を組み込んだり、安定飛行のために自社の制御技術が使えたりしないかを検証していく。
「できると思って進めば、夢は実現します」と、同社の高城善久社長は意気込んでいる。